急性腎不全
【概要】
急性腎不全とは、何らかの原因により短期間で腎臓の細胞が障害を受けると起こる病気であり、その原因には脱水などによる腎血流の減少や、薬物や毒物、感染症などによる腎臓自体の細胞障害、あるいは尿路結石などの閉塞による排尿障害など多岐にわたります。症状は病気の程度によって異なりますが、多くの場合食欲や活動性の低下、嘔吐などが認められ、神経症状や発作が起きることもあります。
【診断】
上記のような臨床症状に加えて、血液検査や尿検査、超音波検査などで総合的に判断します。投薬歴や生活環境の聴取も行い、腎障害を及ぼす薬や食べ物、植物を接種していないか慎重に問診をとります。また感染症が疑われる場合には、細菌の培養検査やウイルスの抗体検査/遺伝子検査を行うこともあります。確定診断には腎臓の組織生検が必要な疾患もありますが、実際にそこまで行うことは非常にまれです。
【治療】
治療法は原因や病気の進行度により異なりますが、急性腎不全の場合、一般的には全身状態がかなり低下していて腎臓の数値が顕著に悪化していることが多いため、3-7日程度の入院治療をご提案することがほとんどです。入院では、点滴治療を中心に抗生剤や制吐剤を注射で投与したり、尿路閉塞がある場合には閉塞を解除したり、病態に応じて治療プランを組み立てます。そして症状や数値が改善してきたら、通院治療に切り替えることも可能です。
【当院での取り組み】
当院ではまず飼い主様からしっかりと問診をとり、現在の状態に至るまでの経過や投薬歴、生活環境などを確認します。その上で、血液検査や画像検査など必要な検査を飼い主様と相談しながら進めていきます。急性腎不全に陥っている場合は、同時に肝臓や膵臓、胃腸などその他の内臓も障害を受けている可能性があるため、病態を正確に把握するために様々な検査を行い総合的に評価します。また治療法も病態により異なりますが、その子に適した治療法をご費用面も含めて飼い主様と相談しながら決めていきます。
【通院・入院の予測】
前述の『治療』の項目でも記載の通り、急性腎不全の場合、一般的には全身状態がかなり低下しているため3-7日程度の入院治療をご提案することがほとんどです。しかし、入院治療が難しい場合は通院治療で点滴に通っていただくこともあります。また状態が安定してからも定期的に診察に来ていただき、血液検査で腎臓の数値の経過を見たり、急性腎不全の原因疾患に足しての治療を継続します。
【費用の予測】
診断までの費用は2~3万円程度です。治療費に関しては、入院治療の場合は1日あたり2-3万円で3-7日程度入院が必要なケースもあります。また全身状態が改善して通院治療に切り替えた場合は、一回の通院に2000~3000円程度かかります。なお、この費用は患者の状態や体重により異なる可能性があります。そのため検査や治療に伴う費用に関しては、診察を行った担当獣医師としっかりと相談しながら進めていきます。