犬の急性心不全/肺水腫
【概要】
犬の急性心不全,肺水腫の多くは、僧帽弁閉鎖不全症の悪化に伴う場合が多いです。他には、心筋症や先天性の心臓病の増悪により起こることもあります。各疾患の悪化により、心臓への容量負荷がかかることで、左心不全が起こり、肺にも水が溜まってしまうことが肺水腫という状態です。
【診断】
一般的な症状として、呼吸困難や頻回の呼吸が見られることが多いです。また、苦しさから呼吸しやすいような体勢・姿勢(肘を広げて伏せる、口を開けて呼吸する)を取ることが多いです。院内での診断としては、レントゲン検査や超音波検査を行い、心不全が起こっていることや肺に水が溜まっていることが確認されます。
【治療】
緊急である場合が多く、呼吸管理のために酸素室で入院治療を行うことがほとんどです。また、心不全や肺に水が溜まった状態を解消するために利尿剤や強心剤を用いて治療を行います。状態が悪い場合には、集中的に利尿剤や強心剤の点滴を使用して治療することもあります。肺や心臓の状態が良くなって退院した後も基本的には強心剤や利尿剤は継続することがほとんどです。
【当院における取り組み】
基本的には入院しての治療になることがほとんどですが、年齢や状態によっては入院しての治療が心配な飼い主様も多くいらっしゃると思います。そこで、当院では状況によって、自宅に酸素室を用意していただいての在宅治療のプランも提案させていただいております。
【通院・入院の予測】
程度にもよりますが、おおよそ2~5日程度の入院となることがほとんどです。適宜レントゲン検査・超音波検査を行い、肺の状態が改善してくれば、徐々に治療を緩和していき、酸素室が不要・およびお薬が飲める状況になることが退院の目処となります。その後も状態が安定するまでは、1週間に1~2回ほどの通院が続きます。状態が安定してくれば、1ヶ月おきの通院になることが多いです。
【費用の予測】
入院治療を行う場合は、おおよそ1日あたり2.5~4万円ほどかかります。総合して概算で1回の入院に8~15万程度かかることが多いです。その後通院の際に費用としては、検査費用およびお薬の費用として、1ヶ月あたり1~3万円程度かかります。なお、この費用は一般的な場合の予測であり、動物の状態により異なる可能性があります。費用に関しては、診療された獣医師と詳しくご相談ください。