犬の膀胱炎

【概要】
膀胱炎とは種々の原因により膀胱内で炎症が起きる病気であり、犬では細菌感染や膀胱結石が原因で起きることが多いです。症状は頻尿や血尿だけでなく、排尿痛や尿のにおいが臭いなど多岐にわたりますが、食欲や元気が低下することはほとんどありません。

 

【診断】
頻尿や血尿、排尿痛などの臨床症状に加えて、尿検査やレントゲン検査、超音波検査などで総合的に判断します。尿検査で細菌感染が疑われる場合は、細菌の培養検査を外部機関に依頼することがあります。また稀ではありますが、尿検査や超音波検査で膀胱腫瘍が疑われる場合は、カテーテル生検という方法で細胞を採取し、病理組織検査や遺伝子検査を行うこともあります。

 

【治療】
治療法は原因によって異なります。膀胱結石が原因の場合は、消炎鎮痛剤の内服薬や結石を溶かすための食事療法や積極的な飲水、サプリメントなどにより治療を行います。しかし、食事やサプリメントによる治療を行っても結石が溶けない場合や結石により膀胱炎を繰り返す場合は、膀胱内の結石を摘出する手術をご提案することもあります。一方で細菌感染が原因の場合は、消炎鎮痛剤や抗生剤の内服薬により治療を行いますが、改善が乏しい場合や再発を繰り返す場合は尿の培養検査を行い、検査結果をもとに抗生剤を選択することもあります。また膀胱腫瘍が原因の場合には、手術や抗がん剤による治療をご提案することもあります。

 

【当院での取り組み】
当院ではまず飼い主様からの稟告をしっかりと伺い、頻尿や血尿、排尿痛などの症状が認められる場合は、尿検査を行うことをご提案しております。採尿方法としては、尿道にカテーテルという管を入れて採取する方法や、超音波を当てながら膀胱に細い針を刺して直接採取する方法などもありますが、犬の負担を考慮し基本的には自然排尿での採取(お散歩などで排尿をする際に採取する方法)を勧めております。また膀胱結石の場合は予防が大切な病気ですので、普段から排泄の様子をチェックしていただく、お水をたくさん飲んでもらう、トイレを我慢させないためにいつもトイレを清潔に保っていただく、などご自宅で出来ることをご指導しております。

【通院・入院の予測】
基本的には通院で治療可能です。膀胱炎の原因が膀胱結石の場合は、食事やサプリメントなどにより結石が溶けるかどうか初めは1-2カ月おきに尿検査や画像検査で検診を行います。一度結石が溶解されても、食事を戻してしまうと再発する可能性がありますので、食事療法は基本的には継続していただくことが多いです。食事やサプリメントで結石が溶けず手術で結石を摘出する場合は、術後4-5日間は入院治療が必要になります。また細菌感染が原因の場合は、1-2週間ほど抗生剤を内服していただきその後再度尿検査を実施し、細菌の消失が確認出来たら治療を終了といたします。

 

【費用の予測】
診断までの費用は検査内容にもよりますが、一般的には2000円~1万円程度です。内服薬を処方する場合は一週間あたり2000~3000円程度で、診断後の定期的な尿検査や画像検査も一回あたり2000円~1万円程度になります。また手術や入院が必要なケースでは、手術内容や入院日数にもよりますが多くの場合15~20万円程度になります。なお、この費用は犬の状態や体重により異なる可能性がありますので、診察された獣医師と詳しくご相談下さい。