猫の歯周病 口内炎
【概要】
猫の口内炎は、歯周病によって出るケースと、歯周病との関連がなく出るケースがあります。
歯周病との関連がないケースでは、カリシウイルスなどのウイルスや特定の細菌の影響を受けることや、
過剰な免疫反応によって発症することがあります。
年齢としては、6~7歳前後で発症することが多いですが、若い猫でも発症することもあります。
放置すると、口の痛みや食欲不振につながることもあるため早期診断・治療が重要です。
【診断】
一般的に口の中の奥の粘膜に炎症が確認される場合、この病気を疑います。
血液検査では、総蛋白およびγグロブリンの上昇を認めることが多いです。
外傷や腫瘍、腎臓病などの影響で炎症が起きていないか、といった病気を除外することで診断を行います。
そのため、診断には病理検査といった、細胞を一部採取して評価する検査が必要になることもあります。
【治療】
軽度な症状に対しては、ステロイドや抗生剤や免疫抑制剤などの投薬や抗ウイルス作用を持つ
サプリメントを使用して症状の緩和を図ることもあります。
ただ、症状や程度にもよりますが、外科的治療といって、歯を抜くことが必要になることが多いです。
状態によっては、すべての歯を抜く手術が推奨されることも少なくありません。
また、歯を抜く手術を行っても、その後生涯投薬が必要なケースもあります。
【当院における取り組み】
先述の通り、手術が必要になるケースも多い病気ではありますが、症状の程度やその子の年齢や持病、
投薬に対する適応性などについても考慮したうえで一番よい治療を提案させていただきます。
【通院・入院の予測】
通院治療の場合は、1週間や2週間おきに通院していただく必要があります。
症状や治療の反応を見ながら、通院の間隔は1ヶ月などに伸びていくことが多いです。
手術の場合は、2~5日程度入院していただきながら術後の経過を追っていきます。
【費用の予測】
お薬やサプリメントで治療する場合は、使用する薬剤にもよりますが、
1ヶ月5000~12000円程度です。手術が必要なケースだと、手術費および2~5日程度の
入院費も含めて8~15万円程度かかることがあります。
なお、この費用は一般的な場合の予測であり、動物の状態により異なる可能性があります。
費用に関しては、診療された獣医師と詳しくご相談ください。